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今週の作家63【下崎滋彦】(2022/2/7~2/19)

プロフィール

下崎滋彦

「作家:下崎滋彦氏と作品群」
「作家:下崎滋彦氏と作品群」
「作家プロフィール」
「作家プロフィール」

福井市在住

1974年 東京都小金井市 生まれ

2001年 東京造形大学彫刻専攻卒業

2003年 筑波大学大学院博士課程芸術研究科 彫塑専攻修了

2004年 結婚を機に奥様の出身地、福井市に移住

 

個展

2016.2019.2021  ギャラリーサライ:福井市

2010  東京芸術センター:北千住

2011  E&Cギャラリー:福井市

 

グループ展

2017-20  究展(福井県立美術館)

2014-20  新彫会(福井県立美術館)

2011-20  BJ美術準備室展(福井市美術館、金沢21美術館)、他

 

公募展

日本芸術センター第1回彫刻コンクール 審査員賞

プレフェスタ国民文化祭 実行委員会会長賞

福井県総合美術展 第59回大賞

第60回六十回記念賞、市美展ふくい 第22.23

回 市長賞、他

「作家コメント」
「作家コメント」

新雪に踏み入るようなここちよさ。しかもひとりではなく。

 

調和と違和感の境界線に立つかたち、それが私の彫刻制作の主題です。

笏谷石・木片・鉄金具、違素材の不協和音と一つの生命を模した像の調和(カノン)。その旋律の模索。

丁度良く人や動物の姿に見えたり、ミリ単位でバランスが崩れる瞬間に真新しい造形の魅力が宿らないかと探しています。

 

笏谷石とはとってもおしゃべりです。

小砂利は邪魔するし、思っても無いとこで直ぐ割れたがります。

でも、緑がかったパステル調の色味と落ち着いた静かな呼吸をしているような質感に魅力を感じ制作しています。

火山灰が降り積もり、とてつもない永い時間に押し潰されて固まった石。

その昔、越前青石とも呼ばれ、北前舟に乗っかって全国各地に流通していた越前福井の特産品。

安土城建設時、北ノ庄城主柴田勝家が織田信長に献上していると文献にも残っています。

もっと昔の古墳から埋蔵品として発掘されたりします。

街なかを歩いていると堀や敷石、墓石としてよく使われているのを見かけます。

守ったり鎮めたりといったエレメントを持っている素材です。

私の制作もこの素材感に引っ張られるようにして形が見つかっていきます。

造りたい形と石がなりたがっている形。

対話の末に調和や魅力にならないかなぁとおしゃべりしている今日この頃です。

 

「夜のなかを歩みとおすときに助けになるものは。橋でも翼でもなく共の足音だ」ヴァルター・ベンヤミン

 

 

 

下崎 滋彦

2022.2.吉日


福井新聞に掲載されました